奈落の底 2018年8月19日の日記
8/19
日曜日。
この日は娘のスイミングがあり、その後リフォームの最終打ち合わせだったから、久しぶりにゆっくり過ごせるはずだった。
昼頃、スイミングに行っている頃、義母から家に電話があったという。
「車で家を出て、そちらに向かっている」と。。。
母は電話で、今日は用事もあるし、また別の日をみんなで決めてきていただきたいと伝えたが、どうやらそのつもりはないらしく
「息子の病気の件で迷惑をかけている。今後の生活のこともあるし、一度伺いたい」と言われ、母は突然の来訪を受け入れてしまったという。
「何故いつもこちらの予定は無視するのか」という質問を義母にした。
こちらにだって予定があると言ったって、自分たちの予定を最優先し、新幹線に乗ってしまったり、この日のように突然、もう出発しているという。
以前にも、母に電話があり、会いたいと行ってきた時、母は今日は無理だと断った。なのに次の電話ではもう新幹線に乗っているから迎えにきて欲しいという電話だった。仕方なく駅まで迎えに行くと、約束ができたからすぐに出発するといい、家までも来ず帰って行った。
もう、なんなのこの人。。
以前の話をすると、それはこちらの母の勘違いだという。
今回は緊急なんだから仕方ないじゃないの!!とのことだ。
それから、今すぐ娘をどこかよそに預けてほしいと言われた。
前々から予定されていたことならまだしも、その日にいきなり来ると告げられて、すぐに子供を預かってくれるところなんてありませんよ!!
と、こちらも強く断った。
それでも何度も何度も、預けられないかしら?と聞いてくる。
自分の息子にはこの件を言ってからきたのだと思い、夫に問いただしたが、本人も何も知らないので義母に電話させた。
「もう来ないでよ!」という何の会話でもない、内容も言わず、ただ追い返そうとしている。
話にならないので、電話を代わった。
どうやら、今まで行っているふりをしていた、もう一つの事業所にも最近は行けたいなかったらしい。
どこで何をしていたんだろう。
そして、全く通ってもいないのに、「お給料を振り込んでください」という電話だけがかかってくるという状況に、先方から戸惑いの電話が、夫の実家にかかってきたのだという。
本人にも、「行っていないのか」と問いただしたが、「行っていたよ」という。
何度も聞いたが、「行っていた」という。
義母には「行っていたと言っています」と何度もいうが、「でも、行っていなかったのよ」という。
あの親切な人の耳にも入っていて、そちら方面からも聞いているという。
誰が本当のことを言っているのか??
何度もこのやりとりをして、「では、私は、あの親切な人に電話してみる」と言ったところで、「ごめん、行けなかった。」と言い出した。
病気は着々と、悪化の一途を辿っていたのである。
そして虚言癖。嘘を嘘で塗り固めて、毎日毎日過ごしていたのである。
そんなに辛いことがあるのだろうか。
この病気をきちんと治さなくてはならない。
義父と義母を呼んだ。
個室があるファミレスの一室で、話は始まった。
初めから夫は、彼の両親を拒否していた。
「もういいよ。やめてよ」「もう、いいじゃない」
というように、全く向き合って話そうとしない。その時の顔が忘れられない。
人は、本気で人を拒否する時、あんな顔になるのだと知った。
そして義父は、自分が話し始めると、夫の言葉を遮るように、全く人の話なんか耳に入ってこないかのように話を進めてしまう。
夫の意見など、聞く耳がないのである。
私は、話し合いの最中、ずっと、
「あなたは今話を聞かなければいかないところ」
「今はあなたがあなたの意見を言わなければならないところ」
「はい、今この人が話しているから、あなたは少し黙って」などの指示をしないと会話が成立しないのである。
このどうしようもない会話の最中ずっと黙っていた義母は、どうしても実家に息子を引き取ってはならないと思っていたらしい。
「実家のある地方では、息子は良くならない」
何故、実家で家族もいる場所に行くと悪くなるというのか、意味がわからない。
どうしてそこで仕事をさせようとしていたのか。
優秀なお医者様を紹介してもらって、きちんとした病院で治療させたい。
でも、実家ではダメ。
お医者様を東京で探してもらっても良いのよ。という。
要するに、自分で面倒見るのが嫌なのではないかと思ってしまう。
「我が家はリフォームがあるので、もっと居ずらくなりますよ。」というと、ではどうしようか、どこで面倒見てもらうのが自分の息子のためになるんだろうと、他人に頼む事ばかり考えている。
一時は、働きに行っていなかった、別の事業所の一室を借りて、そこから病院に通わせてもらったらどうかしら?と言い出した。
それだけ、自分のところに来られては迷惑なのである。自分の息子が、、迷惑なのである。
夫の実家では病気のことを隠し通せない。
今まで、実家での仕事は、リーダーシップをとってバリバリやってきたのに、こんな病気になっただなんて周りには言えない。
そんな状況の中で治療なんてできない。
というのが、義母の考えだった。
何故実家で、病気のことを隠し通さなきゃならないのか。私には理解ができない。
むしろ、病気のことをみんなに知ってもらい、周りの人たちに協力してもらった方が自分の気持ちも楽だし、周囲の人だって何故時々具合が悪くなるのかが理解できるというものだ。
私はそのことを義父母に話した。
義父は涙ながらに賛成してくれ、以前この病気が私のせいで発症した。と言ったことに対し、初めて謝罪してくれた。
ただし、私は、鵜呑みにはしない。この人は夫の父親である。この涙が嘘か誠かがわかるのは、ずっと先のことだろう。
義母は頑なに夫が実家に帰るのを嫌がったが、こちらは改築を始めるのである。
私も譲らなかった。
夫は、こちらが改築中、実家に帰ることになった。